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発育発達に応じたトレーニング 掲載日: 2007-9-1 (閲覧回数: 7783)
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◆発育・発達と一貫指導


1 発育・発達の過程  1)
 人はその誕生から,各器官や機能が異なるタイミングで発育・発達します(図1参照).そのため,それぞれの課題を最も吸収しやすい時期に与えていくことが、効果的です.


図1:スキャモンの発育発達曲線


1)神経系
 図1に示されているように,人の諸器官の中で最も早く発達するのは,神経系であり,小学校入学時には成人の約90%にまで達します.そして,一度ある動作に対する神経の伝達経路が完成すると,それらはなかなか消えないことが知られています.そのため,この時期に獲得される様々な技術は,選手として成熟する年代においても重要と言えます.
 図2は,1998年から2000年の3年間にわたり調査した,全国各地の9〜17歳のシンクロ選手の敏捷性をバーピーテストにより評価し,両年代の一般女子の結果と比較したものです 2-4).



図2:シンクロ選手と一般女子の敏捷性


 このように,シンクロ選手の敏捷性は,各年代において一般女子とほぼ同等のレベルでしかないことが明らかとなりました.しかし,競技中により機敏に動作を行うためには,神経―筋の協調活動を高めることが重要です.そのため,特に小学生の時期は,水中でのシンクロのトレーニングだけでなく,陸上において様々な運動を体験しておくことが必要です.



 2)発育・発達の個人差
 図3に示した身長発育速度曲線は,複数の男子の発育速度を描いたものです.これは,身長が増加する過程における増加速度(cm/yr)を表したものであり,これによって,個人別に最も身長が増加する年齢やその時点における年間増加量(cm/yr)を知ることができます1).図3を見てわかるように,ひとりひとりの描くカーブは異なっており,身長の発育速度には大きな個人差が存在します.



図3:身長発育速度曲線(高石ら,1968)


 また,一貫指導対象選手の生理学的年齢を,骨成熟を基準とした骨年齢から評価しました(図4参照).その結果,同じ学年や暦年齢であっても,暦年齢とほぼ同等にある選手とそれより遅い晩熟の選手がいることが明らかとなりました.



図4:シンクロ選手の暦年齢と骨年齢



 思春期以前には,前述したように動き作りが重要となりますが,次に続く思春期では,図1の一般系(筋・骨格系、呼吸循環系など)にあたる,呼吸循環系の発達に合わせるように全身持久性の発達を促す必要があります(図5参照).また,このような骨が急速に成長する時期には,関節を介した骨格筋が引き伸ばされた形になることにより,身体の柔軟性が低下することがあるため,コーチはこの点について留意する必要があります.
 コーチは,常に選手個々の発育状況に目を向けて,選手毎に発育・発達段階に応じた指導を心がけることが重要です.
 







◆陸上および水中での指導上の留意点
陸上 7-9歳頃 ・遊びの中でさまざまな運動を経験させる。
7-12歳頃   ・ダンス、体操、トランポリン、マット運動および鉄棒などの 調整力、巧緻性、リズム感、空中感覚などを必要とする運動を陸上で経験する。
・クラッシックバレエ等で、中心軸の取り方、正しい筋の使い方を感覚的に学ぶ。
 水中 7-9歳頃   ・水遊びを通して、水の特性(抵抗・浮力・水圧)に儒れる。
・与えられた課題を行わせるという指導法ではなく、想像力・創迫力を引き出すようにする。
10-12歳頃   ・シンクロの専門技術や動きにつながる技術の指導を開姶する。
・複合的な動作や複雑な技術は避け、単一の動作を練習する。



図:発育・発達に即したトレーニングの段階的指導とねらい



引用文献
1)高石昌弘,樋口満,小島武次:からだの発達,大修館書店,東京,pp.1〜129,239〜268,1981
2)財団法人日本水泳連盟シンクロ委員会科学・技術部編:全国巡回指導シンクロベーシックフィットネステスト結果.財団法人日本水泳連盟シンクロ委員会科学・技術部1997-1998年度活動報告及び研究成果報告,79-84,1999
3)山村千晶,錦織由紀:シンクロベーシックフィットネステスト結果報告.財団法人日本水泳連盟シンクロ委員会科学・技術部1999-2000年度活動報告及び研究成果報告,27-38,2001
4)東京都立大学体力標準値研究会:新・日本人の体力標準値2000,不昧堂,東京,pp273-275,2000
5)高石昌弘,大森世都子,江口篤寿,藤田良子:思春期身体発育のパターンに関する研究,第1報,男子の身体発育速度および体重発育速度について,小児保健研究26
(2):57-63,1968


「シンクロ一貫指導教書」抜粋(日本水泳連盟,2002)


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